FXをはじめて間もない初心者は、メンタル面でいろいろな「トレード病」にかかりやすいと言われています。
トレード病にかかってしまうと、待ち受けているのは大損。
そしてFXからの退場という最悪の流れです。
将来の生活のために行っているFXで大損してしまったり、退場しなければならない状況になりたくないですよね。
予めどのようなトレード病があるのか?
トレード病を発症する理由や対処方法を知っておくことで、そういった状況にならずに済みますので、しっかりチェックしておいてください。
目次
FX初心者に多い代表的なトレード病とは?
FX初心者がどのようなトレード病に陥りやすいかというと、
- チキン利食い病
- もったいない病
- トレード恐怖症
- ポジポジ病
- コツコツドカン病
- ギャンブル病
- 神頼み病
- 中二病
- ノルマ病
- よくばり病
具体的にどのような状況になった時に発症するのか?
トレード病についてそれぞれの詳細をお伝えしますので、発症しないように注意していきましょう。
FXで勝ち続けていくためにもトレード病にならないことは重要なことなので、しっかり読んでおいてください。
チキン利食い病│FXのトレード病
チキン利食い病とは、利益が乗ったらすぐ利食いしたくなる症状のこと。
持っているポジションに含み益が出ていると、利益確定の目標数値があるにも関わらず、目標を無視してすぐに利益確定したくなってしまう症状のこと。
エントリー後、チャートを眺めていて、こんな感情になるんじゃないでしょうか??
- 利益が少し出ているぞ!
- でも反対方向に動いてこの利益がなくなったら、どうしよう・・・
- もう、いいや。損するよりもマシだ!利確しちゃえ!
このような思考回路で最初の決済注文を変更してまで利益確定をしてしまうのが、チキン利食いです。
トレードで勝つために重要なことは勝率と損益率のバランス。
それはわかっているのに、このような行動を取ってしまうのはなぜか・・・。
実はこの行動は人間の心理状態としてはごくあたりまえの本能的なもので、行動経済学では不確実性下における意思決定モデルのひとつ、「プロスペクト理論」として実証されているもの。
ここで質問です!
あなたは今、1万円の含み益のあるポジションを持っているとした場合、AとBどちらを選びますか?
- A:今すぐに決済したら、100%の確率で1万円の利益が得られる
- B:もう少し待ったら、50%の確率で利益は2万円になるが、50%の確率で利益は0円になる。
あなたはどちらですか?
多くの人は堅実性の高いAを選択するのではないしょうか。
多くの人が目の前にある利益は少額でも確実に自分のものにしたいという心理が動き、実際に行動に移してしまいます。
チキン利食い病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
チキン利食いは人間が本来持っている心理なので、なかなか制御することはできません。
心理は制御できませんが、行動は制御できますよね?
行動を制御する最も簡単な方法はチャートから離れることです。
チキン利食いの一番の対処法は、注文を入れた後は放置すること。
チャートを常に監視していると目の前の価格変動に一喜一憂してしまい、利益が少しでも出たら決済したい欲が出ます。
軽率な行動を抑えるためにも、エントリー時に決済指値・逆指値注文を入れたらチャートを閉じるようにしましょう。
決済注文が約定したら、通知メールが飛んでくるように設定しておけば大丈夫ですよね。
もったいない病│FXのトレード病
もったいない病とは損切ラインに達しても損切りできない状態のこと。
取引開始前に目標にしていた損切りラインがあるのに、ポジションがその基準に達しても資金が減ることをためらって損切できない症状です。
この症状の時は、あなたは感情と戦っています。
- 損切りの水準だけど、ここまで下がったんだからもうそろそろ戻るだろう
- 損切りはしかたがないけど、少しだけでも値が戻れば、損失は少なくて済む
- この前だって、損切りした途端に反対に動いたし・・・・・
このような考えで、ズルズルと損切りを先延ばしにしてしまうのが「もったいない病」の典型的な症状で、どんどん損失が拡大する結果に。
では、もう一度質問します!
あなたは今、1万円の含み損のあるポジションを持っている場合、AとBのどちらを選びますか?
- A:今すぐに決済したら、100%の確率で1万円の損失が出る
- B:もう少し待ったら、50%の確率で損失が2万円になるが、50%の確率で損失は0円になる。
利益について考える時は堅実性の高い選択技を選ぶ人がほとんどですが、損失について考える時は、ギャンブル性の高いBを選ぶ人が多くなる傾向があります。
FXは投資でありギャンブルではなので、より確実な方法・より安全な方法で取引を行うようにしましょう。
もったいない病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
そもそも、なぜそこに損切りの決済注文を設定したのかを思い出してください。
このラインを割ったらトレンドが転換し、逆方向に大きく動く可能性が高いという場所を損切りのポイントに設定したはずですよね?
既に発生している損失の拡大を最小限に食い止めるためにも、一度決めた損切り注文は変更すべきではありません。
「もったいない」と損失を先延ばしにしてしまえば、もっともったいない事態になってしまいます。
自分の心理に左右せず、確実に損切りしてください。
そのためにもエントリー時に決済の指値・逆指値も含めて注文を実行したら、チャートを閉じて放置しておく。
それだけのことを実践するようにしてください。
トレード恐怖症│FXのトレード病
トレード恐怖症とは損切りが続いてトレードすることが怖くなる状態のこと。
損切りがなんそも続いたことでトレード自体が怖くなり、エントリーできなくなってしまう状態のこと。
気が小さい人に起こりやすい症状で、ほとんどの原因は損切によるストレス。
損切りをするのは誰でもいい気分ではいられませんよね。
- 損切りのストレスが積み重なれば、また損切りになるんじゃないかな・・・
- どうせ勝たないよな・・・
そんな感情に支配されてしまい、やがてFXをやめたくなります。
また、「手法が間違っているんじゃないか」という迷いが生じて別の手法に手を出してしまうことも。
最初に取り組んだ手法が正しいかどうかもわからないうちから、別の手法に手を出しても、勝てるようになるとは限りません。
延々と負け続けどんどん新しい手法に手を出し続けるようになる可能性も。
トレード恐怖症にかからない方法やかかりにくくする方法は?
トレード恐怖症の対処法の中でも、リスクなくできるのはデモ口座を何度もプレイして損切りに慣れること。
デモ口座であれば本物のお金ではないので、何回損切りをする状態になっても怖くないですよね。
あなたが納得できる手法を見つけるまで何度でも試すことができます。
デモ口座でのトレードだからと気を抜いて適当にやっては意味がありません。
リアル口座(実際の)トレードと同じように計画的にエントリー・決済をしてください。
デモトレードでも、怖いという人は仮想のトレードを想像するエアトレードでも良いと思います。
デモトレードで利益をあげられるようになってから、リアル口座でのトレードを行う方がFX初心者向きの方法といえるでしょう。
開設すべきFX口座の種類の選び方を5つのポイントで紹介!
ポジポジ病│FXのトレード病
ポジポジ病とは常にポジションを持っていないと落ち着かない状態のこと。
トレード恐怖症と真逆の状態がポジポジ病です。
トレードをすることが楽しくて、常にポジションを持っていないと落ち着かない症状のことで、FXに少し慣れてきた頃に発症しがちな症状のこと。
ポジポジ病にかかると、トレードしていないと損をしているような気持ちになり、どんな状況でもエントリーしたくなります。
どのような状態のチャートでも無理やりエントリーする理由を探し始め、15分足でエントリーポイントが見当たらなかったら、5分足や1分足を見るなど・・・。
さらには、ダウ理論だけでなく、サイクル理論、グランビルの法則など、別の理論でもチャートを見てしまいます。
様々な視点でチャートを見続ければエントリーポイントが必ず見つかりますよね。
そうして無理やりエントリーする理由を作り、トータルの収益を考えるとマイナスになることが多いので注意が必要です。
利益が出し続けられる手法なら良いのですが、実際には反対のことが多くとにかくトレードをしたいだけなので勝率が低く、損益率も悪くなりがち。
ほとんどの人は手法の検証すらしてません。
FXで利益を出すためには勝率と損益率のバランスが非常に大切です。
ポジポジ病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
FXで利益をあげるためには、有利な状況でのみエントリーすることが大切です。
ポジポジ病の対処法は、手法をひとつに絞ること。
最初に決めたルールを決して曲げずに、初心に返ってルール通りのトレードを積み重ねていくことが大事です。
ダウ理論など得意な手法で明確なトレンドを確認できた時だけ、そのトレンドに乗るかたちでエントリーするようにしましょう。
明らかに有利な状況だと判断できないところでエントリーするなんて、お金をドブに捨てるようなもの。
コツコツドカン病│FXのトレード病
コツコツドカン病とは、ルール違反の大きなロットでつい取引してしまうこと。
着実なトレードでコツコツと利益を積み重ねていたと思ったら、あるとき、ドカンと大きな損失を出してしまう症状です。
いつもはきちんとルールを守ってトレードして、1週間、1ヶ月、3ヶ月と好調な状態が続き、利益が増えていきます。
次第に自信がつき、こう思うようになったら注意してください。
- 私って、天才かも・・・・そんな自信がいつしか慢心に変わります。
そして自分でも気づかないうちに気が大きくなってしまい、いつものルールを守らずに大きなロットのエントリーをしてしまうことに。
そんな時に限ってなぜか、損切りの注文も忘れてしまいます。
その結果、残酷な現実に直面することに。
相場が想定と反対方向に動き、みるみるうちに損失が拡大していき、想定していないレベルの損切りをすることになり、数ヶ月間かかって積み上がった利益を失ってしまうでしょう。
ある程度トレードに慣れて、自信がついてきた人や精神的に浮き沈みの激しい人によくありがちな症状ですので、そういう時こそ注意してください。
コツコツドカン病にならない方法やかかりにくくする方法は?
自信がついてき時こそ、気を引き締めた取引ができれば良いのですが、良い状態というのは自覚しずらいもの。
事前に対処するのは難しいというのが実情ではないでしょうか?
資金管理のルールをしっかりと守ることと、エントリーしたらチャートを見ないことの2つ。
一度痛い目にあえば、この症状の怖さが身にしみてよく分かりますが、そうなる前に自制心を持ったトレードをするようにしましょう。
ギャンブル病│FXのトレード病
ギャンブル病とは今日の負けは今日中に取り戻そうという気持ちになってしまう症状のこと。
FXの取引に慣れてきた人にありがちな症状。
損失が出る可能性を忘れ「どうせ勝つのだから」と利益にばかり目を向けて、大きなロットで勝負してしまう気質のこと。
また、損切りしたあとにその損失を取り戻そうとして大きな勝負をしてしまうというパターンも。
いずれにても今日の負けは今日中に取り戻すといった熱くなりやすい人がなりやすい傾向があります。
この症状にかかった人の末路は、いくらの勝率の高い手法を使っていても、大きな額でのトレードを繰り返すうちに連敗に見舞われて、大きな損失を被って相場から退場してしまう結果に。
ギャンブル病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
この気質の人がまず自覚しなければならないのは、「どんな手法にも連敗する可能性はある」ということ。
連敗リスクを常に念頭に置いて、資金管理を忘れず慎重なトレードを心がけて下さい。
短期間での収支を気にしないことも重要でしょう。
今日負けた分は今日中に取り戻そうとか1週間のトータルは絶対にプラスにしたいなどと考えてしまうから、焦ってしまいます。
1ヶ月のトータルでプラスになればいいくらいに考えれば、1回1回の収支はそれほど気にならなくなり、落ち着いた気分でトレードができるようになるでしょう。
FX会社の選び方のポイントは?どんな条件で判断すべきか徹底解説!
神頼み病│FXのトレード病
神頼み病とは、損切りできずに、値が戻ってくれるのを神様にお願いしてしまう状態のこと。
損失が膨らんだときに損切りができずに、値が戻ってくれるのを神様にお願いするしか手立てがなくなるそんな症状です。
決済は自分のタイミングでしたいから、成行きでいいやとエントリーしたら、思惑とは逆方向に動いてしまうなどの時に下記のような流れで起こります。
- こんなに含み損が膨らんでしまった・・・
- でも、もう少ししたら値を戻すかもしれない
- やっぱりさらに損失が広がってしまった。神様お願い・・・
こうなるともう居ても立ってもいられない焦燥感に見舞われますよね。
あきらめて損失を確定したころには、立ち直れないほどの精神的ショックを受けることになるでしょう。
調子に乗るタイプや少しでも損することを嫌うタイプの人がかかりやすい症状ですので、自覚する部分がある人は注意してください。
神頼み病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
とにかく資金管理を徹底すること。
資金管理とか、正しいロット設定と損切りすべきところできちんと損切りすること。
損切りすることは、悪いことではなく、あくまでも勝つためのひとつの過程にすぎません。
想定どおりに損切りできたなら自分を褒めてあげましょう。
中二病│FXのトレード病
中二病とは、デモトレードなしでいきなりリアルトレードをしてしまう状態のこと。
FXの中二病は「デモトレードをすっ飛ばしていきなり本物の口座でリアルトレードをしてしまう人に起こりやすい症状です。
自分は、損するはずがない!という自信満々の人や、お金儲けの意識の強すぎる人が陥りがちでしょう。
デモトレードで練習してもいないのに、背伸びしてリアルトレードをやっても上手くいくはずがありません。
仮にうまくいったとしても、それはたまたまいい結果になっただけではないでしょうか。
たった、数回の成功体験で「FXなんて簡単!」と中二病をさらに加速させてしまいます。
そして調子に乗って大きなロットで勝負した結果、多額の損失を出す・・・そんな結末になるのは目に見えていますので注意してください。
中二病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
FXでは8割の人が負けて2割の人しか勝てないと言われています。
8割の人はなぜ負けるかというと、勉強を怠っているから。
勉強には知識を身に付ける以外にも、デモトレードなどを通じて取引の練習をすることも含まれています。
FXで勝ちたいならまずはデモトレードで練習してからが大原則だということ。
資金管理やトレードの手法を勉強したら、まず実践と同じ環境にあるデモトレードで練習してください。
ノルマ病│FXのトレード病
ノルマ病とはノルマを課して相場に入る状態のこと。
1日3回以上エントリーするとか、1回のトレードで〇pips以上の利益を取る!といった自分のノルマを課して相場に入ってしまう症状のことです。
ノルマを守ろうとすると結局、相場を無視して無理なトレードをすることになりがちではないでしょうか。
自分が決めたルールから逸脱してしまい、勝率や損益率の悪いエントリーが増えてしまう結果に。
そうなるとトレード回数が多くてもそれが利益につながらなくなってしまいます。
完璧主義な性格の人、少しは利益が出はじめた中級者トレーダー、また専業トレーダーにも多い症状。
ノルマ病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
相場はあなたのノルマにあわせて動くわけではありませんので、あなたが相場にあわせたトレードをする必要があります。
時にはトレードしないという選択も重要ではないでしょうか。
ノルマ病にかかってる人は投資をする本来の目的を思い出してください。
FXをする本来の目的は儲けることですよね。
最終的にトータル利益があげられればOKです。
一日に何回トレードするとか、何pips取るとかはどうでもいいでことではないでしょうか。
長期スパンで利益をあげようとした時に、ノルマを設定することは決していい影響を与えないと肝に銘じて覚えておいて下さい。
よくばり病│FXのトレード病
よくばり病とは欲が出すぎて、利益確定の指値注文を変更してしまう症状のこと。
所定の利益目標があるにもかかわらず、含み益が増えていくともっと稼ぎたいという欲が出てきて、利益確定の指値注文を変更してしまう症状のことです。
FX初心者の誰もがかかってしまう可能性がある症状。
利益確定の決済注文を変更した結果、当初のシナリオよりも大きな利益が取れたとします。
するとその1度の成功に味を占めて、利益目標を変更するのがクセになってしまう可能性も。
自分のルールに忠実ではないトレードが毎回うまくいくはずはありません。
利益を確できるはずだったトレードが、損切りしなければならない状態になることが増え、トータルでマイナスになってしまう場合も。
よくばり病にかからない方法やかかりにくくする方法は?
FXの様々な手法の中には、利益目標を途中で変更して利益を伸ばすことを狙うものもあります。
その手法を使うのもいいですが、ひとつの口座で複数の手法を混在させるのはあまり良くないこと。
トレード全体のバランスが崩れますし、調子を崩して利益が上がらなくなった時に不調の原因究明が困難になってしまう結果に。
中級者で異なる手法を同時に試してみたいのであれば、複数の口座を作って別々のトレードするのが良いでしょう。
複数の口座を使い分けることでどの手法がうまくいかないか、結果が出ていないのかを検証することもできます。
一番大事なことは資金管理を必ずしておくこと。
欲を出し過ぎずにコツコツと利益を出すことを目指しましょう。
もしあなたの周りで1日で10万円や100万円の利益が出たという話を聞くこともあります。
利益が出る日もあれば反対に損失が大きくなることもありますよね。
いずれにしても最初に決めたルールを決して曲げずに、初心に返ってルール通りのトレードを積み重ねていくことが大事ですよ。
FXはいくらから確定申告が必要?しないとばれるリスクがある?
FX初心者に多い代表的なトレード病の記事まとめ
この記事ではFX初心者が陥りやすいトレード病について解説してきました。
- チキン利食い病
- もったいない病
- トレード恐怖症
- ポジポジ病
- コツコツドカン病
- ギャンブル病
- 神頼み病
- 中二病
- ノルマ病
- よくばり病
どれも本来のトレードから外れたり、資金管理がちゃんとできていないことで起こる症状です。
最初にこれらの症状があることをわかっていれば、予防することもできると思いますので、実際の取引をする前にぜひチェックしておいてください。