FXの稼ぎ方のひとつにスワップポイントを使う方法があります。
スワップポイントをうまく利用するで利益を上げることができたり、マイナスになってしまうことも。
そもそもスワップポイントとは何か?
FX特有の稼ぎ方なので、まずはこの記事を読んでスワップポイントについて理解して下さい。
目次
FXのスワップポイントとは?
FXは為替差益で稼げるだけではなく、スワップポイントでも稼ぐことが可能な投資。
- スワップポイントは金利差調整分とも呼ばれ、2ヶ国間の金利差によって発生する利益(損失)のこと。
- FXの取引を行うと通貨の交換と同時に金利の交換も行われ、各国の金利が異なる為にその差額を調整する必要があり、通貨間の金利差調整額がスワップポイントです。
低金利の通貨を売り高金利の通貨を買うことで、スワップポイントを受け取る事ができます。
FXでスワップポイントが発生する原因は政策金利の違い
なぜスワップポイントが発生するのか?
一番の原因は政策金利。
各国通貨の金利は、日本なら日本銀行、アメリカであれば連邦準備制度理事会(FRB)といった中央銀行が民間銀行に提示するもの。
政策金利とは、中央銀行が民間銀行に対して「これだけの金利を払えばお金を貸し出します」と提示する短期金利の利率のこと。
中央銀行は、金利を上下させる事で市中に流れる自国の通貨の量を調整します。
好景気で物価高になると金利を上げ、反対に景気が悪くなると金利を下げてお金を借りやすくして、経済活動に刺激を与えます。
ただ現在の日本では日銀がゼロ金利政策を導入していますので、利子はほとんどつきません。
日本や欧米などの主要国と比較すると政策金利が高い国もある
日本や欧米の通貨金利は非常に低いですが、諸外国の中には非常に高い金利で運用されている国もあります。
中でも、高金利で有名なのが「トルコリラ」や「メキシコペソ」など。
2020年1月時点の金利差を比較すると、
日本の政策金利は0.1%程度なのに対して、メキシコは4.25%、トルコは17%となっています。
これだけ大きな金利差があるので、スワップポイントで得られる収益(損失)も大きくなります。
スワップポイントをうまく使えれば利益を出すことができますが、逆に損失が発生する場合も。
トルコリラのような高金利通貨を売って、日本円のような低金利通貨を買う場合は、金利の差額を支払わなければいけません。
長期間保有し続けると、それなりの損失額になってしまう恐れがあるので注意が必要です。
FXのスワップポイントで稼ぐ場合の具体的な事例は?
実際にどれくらいの金額をスワップポイントで稼ぐことができるのか?
1豪ドル80円だった時に豪ドル/円を1万ドル買い、金利差が2.15%だと仮定します。
この場合だと、1日で約47円ほどのスワップポイントによる利益を受け取ることが可能。
そのポジションを1年保有し続けるとスワップポイントだけで稼げる金額は約17,200円ほどになります。
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スワップポイントのメリットやデメリットは?
スワップポイントをうまく活用できれば、為替差益以外の利益を上げることができるということがわかったと思います。
ただFXのスワップポイントはメリットだけではなく、デメリットも存在しますので、その点も理解しておくべき。
スワップポイントのメリット・デメリットについて簡単に紹介すると、
FXのスワップポイントのメリットとは?
スワップポイントの一番のメリットは、
- スワップポイントが発生するポジションの決済を行って、ポジションを解消しない限り、毎日利益を獲得し続けることができること。
- その利益は継続的に取引口座に蓄積されていきますので、少額ですが資金の増加を楽しむことができます。
株式投資だと、1年に1回か半年に1回など限られたタイミングでしか、配当を得ることができませんよね?
また毎月利益分配型の投資信託よりも頻繁に取引口座に利益が蓄積していくので、増えていく数字を楽しく見続けることができるということ。
ちなみに2008年頃の話をすると、豪ドルの金利は7%程度、南アフリカランドの金利は12%程度で推移していました。
これらの高金利通貨をレバレッジを利かせて大量に買って寝かしておくだけで、毎日数千円分ものスワップポイントを得られていました。
当時FXは「ほったらかしでも稼げる」というイメージがあり、多くの人がトレーダーデビューしました。
しかしメリットがあるということはデメリットもあるということ。
FXのスワップポイントのデメリットとは?
スワップポイントの一番のデメリットは、
- スワップポイントは変動するもので、レート変動により利益ではなく、損失が発生する場合も。
- 毎日コツコツと積み上げたものが金融危機等で一気に吹き飛ぶこともあります。
実際に豪ドルや南アフリカランドをハイレバレッジで購入していたトレーダーの多くがリーマンショックの影響を受けました。
リーマンショックにより高金利通貨のレートが一気に下落し、トレーダーは多額の為替差損を発生させ、スワップ利益を失ってしまいました。
金利が高い国というは成長国である反面、政情や経済が不安定な国という側面も。
信用力が低いからこそ高金利で運用されています。
予期せぬ事態で経済状況が急変し、その影響で為替レートが急激な変動を起こすことも。
高金利とリスクは常に隣合わせの関係にあるので、金利の高さだけに注目してスワップ狙いの取引をすることは止めた方が良いですよ。
FXのスワップポイントは変動するだけではなく、FX会社でも異なる
スワップポイントは持っているポジションの通貨ペアの両国の政策金利が変わらなければ、ほぼ一定に保たれています。
しかしそんな状況が永遠に続くことはありませんよね?
どちらかの国が政策金利を変えればスワップポイントも変わりますし、為替レートの影響も受けるので変わるものだと理解しておくべき。
さらに利用しているFX会社によって、同じ通貨ペアでもスワップポイントは異なります。
ここを知らない人も多いので、色々なFX会社で比較してみるのもFX会社選びのポイントのひとつ。
FX会社によってスワップポイントが異なる理由とは?
スワップポイントの仕組みは、翌日以降にポジションを持ち越した際に1日分のスワップポイントを獲得できるようになっています。
オーバーナイト(ポジションの翌日持越し)をせずにデイトレードで決済してしまえば、スワップポイントを獲得できません。
スワップポイントの翌日持ち越しの判定基準は、ニューヨーク市場がクローズする日本時間の午前6時40分(サマータイム期間中は午前5時40分)
外国為替取引のルールとして、通貨や代金の受け渡しは2営業日後に行われる仕組みになっています。
またFX会社によってスワップポイントが取引口座に反映されるまでにタイムラグもあり、そういった違いがあることでスワップポイントが異なる理由のひとつ。
FX会社毎に運営方針が違うので、最終的に各社が考えるバランスの取れたスワップポイントを導き出しています。
FXのスワップポイントの記事まとめ
この記事ではFXの稼ぐ仕組みのひとつであるスワップポイントについて解説してきました。
- スワップポイントとは金利差調整分とも呼ばれ、2ヶ国間の金利差によって発生する利益(損失)のこと。
- スワップポイントは各国の中央銀行の政策金利の影響を大きく受ける
- FXのスワップポイントは毎日少額を稼ぐコツコツ型の投資手法
- スワップポイントは利益だけでなく損失が発生する場合もある
- FX会社によって同じ通貨ペアでもスワップポイントに違いがる
スワップポイントで稼ぐトレーダーもいますが、初心者のうちは為替差益狙いで稼ぐ方が良いでしょう。
あくまでもスワップポイントはおまけと考えて、日々増えるからという理由だけで取り組まない方が良いと思いますよ。
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