FX取引で確定申告が必要になるのはいくらか?
利益が出た場合に確定申告をしないとばれるリスクがあるのか?など、FXの税金に関する情報をまとめて紹介します。
FXで利益か損失を出した場合に確定申告を行うべき理由を知っておくことで、様々なリスクヘッジができますよ。
目次
FXで一定以上の利益が出れば確定申告&納税の義務が発生する!
まず最初に理解しておくべきことは、FX取引で得た利益に関しては確定申告をして納税をする義務があります。
FXの税金=(年間の利益−経費)×20.315%と所得の20%ほどが税金になります。
これは基本的なルールですので、収益の有無に関わらず理解しておいて下さい。
年間のFX取引で得た所得が一定額以下の場合は、確定申告をしなくても良い状態になります。
FXの所得が非課税になるのは会社員ではいくらまで?
会社員で非課税になる条件としては、
年収2,000万円以下で確定申告の必要がない会社員の場合は、年間の所得が20万円未満の場合は確定申告をしなくてもOK!
逆をいえば会社員の場合は、FXの所得が年間20万円を超えれば確定申告が必要になるということ。
20万円しか非課税枠がありませんので、あまり現実的ではないですよね?
基本的にFXで所得が発生すれば確定申告の義務が発生すると理解しておきましょう。
給与所得のない自営業者や専業主婦の場合はどうなのか?
給与所得がない自営業者や専業主婦、扶養家族として養われている人の場合は、課税条件が異なります。
FX取引の年間所得が38万円を超えると確定申告の義務が発生します。
38万円は配偶者控除を受けられるかどうかの判断基準でもあります。
FXの税金は申告分離課税なので自分で確定申告が必要です。
FXの税金は申告分離課税となっており、
申告分離課税とは、他の所得とは切り離して税額を計算して確定申告によって納税する課税方式のこと。
株や投資信託のように、取引会社が自動的に源泉徴収してくれるようなシステムはありません。
FXでは一定以上の利益か損失が出れば、絶対に確定申告をするようにして下さい。
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FX取引で損失が出た場合も確定申告をすれば優遇される
FX取引で利益が出れば良いですが、損失を抱えてしまうこともありますよね?
その場合でも、節税面のメリットを考慮して確定申告することをおすすめします。
FXの損失は繰越控除できるので節税効果が高い
普通は利益がなければ確定申告や納税をする必要はありませんよね。
しかしFXは繰越控除の対象。
繰越控除とは、本年度分の損失を控除しきれない時に翌年以降にその損失を繰り越して利益から控除ができる制度のこと。
FXの損失は3年間の繰越控除ができますので、その間の利益を消して節税することができます。
繰越控除を利用する場合は翌年以降も確定申告をする必要があるので、その点も理解しておいて下さい。
逆に言うとFX取引で損失が出ても、確定申告をしなければ節税効果がないということ。
公に認められている制度なので、万が一の場合は繰越控除を利用しましょう。
FXの利益や損失は損益通算もできる
1社でのみFX取引を行っている人はできませんが、複数のFX会社で取引実績がある場合は損益通算の対象になります。
損益通算とは、赤字の所得(損失)を黒字の所得から差し引ける制度のこと。
損益通算の対象になる所得は不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の4つのみ。
仮にA社で100万円の利益が出て、B社で50万円の損失が発生している場合。
損益通算により利益は50万円になり、そこから必要経費を差し引いた金額が所得になります。
100万円と50万円では納税額が違いますので、損益通算も損失が出た場合には利用すべき制度。
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FXの確定申告をする際に必要になる書類は?
FXの確定申告をする場合に必要になる基本的な書類は、
- 確定申告書B
- 所得税申告書第三表(分離課税制度利用の場合)
- 先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
- 所得税及び復興特別所得税の申告書付表(繰越控除制度利用の場合)
- 年間損益報告書
- 源泉徴収票
国税庁の「確定申告書の記載例」ページでダウンロードできますので、手元に資料や記載例を用意して行って下さい。
確定申告する際には、各税務署で書類の書き方や必要書類について教えてもらうこともできます。
税務署が用意しているサポート制度もうまく活用して、確定申告を行って下さい。
FX取引の利益を確定申告しなければばれるのか?
確定申告しなければ、脱税行為はばれないと思っていませんか?
投資家の取引情報に関してはFX会社から全て当局に報告されています。
納税が必要なケースでは、全て税務署にばれている(把握されている)と思ってください。
確定申告を何年もせずに過ごしていると、脱税容疑で税務調査の対象になります。
税務調査が行われ所得隠しが発覚すると追徴課税の対象になり、下記のような税率の対象に。
種類 | 追加税額 |
無申告加算税 | 新たに収めることになった税金の15%で、納税額が50万円を超える部分については20%にアップされます。 |
延滞税 | 納付期限から2ヶ月までは年率7.3%、それ以降は年率14.6%が課されます。 |
悪質な所得隠し | 悪質な申告漏れと判断された場合、別途40%の税が課されます。 |
ちょっとびっくりしますよね?
追徴課税の対象になれば利益がほとんど消えるだけではなく、逮捕リスクも。
FXの脱税は絶対にばれるとわかっているので、間違っても無申告で過ごさないようにして下さい。
初年度は何も連絡なくとも、数年間泳がされて税務調査が行われることもあります。
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FXの確定申告に関する記事まとめ
この記事ではFXの利益(損失)は確定申告すべきなのか?
実際にいくらの利益から確定申告の対象になるのかなど、税金に関する基本的な情報について紹介してきました。
- 会社員は一般的に20万円以上の所得で確定申告が必要になる
- 個人事業主や専業主婦は38万円以上の所得で確定申告が必要になる
- FXの所得には繰越控除や損益通算制度も利用できる
- FXの所得は絶対に税務署にばれる(全ての取引情報が共有されている。)
- 税務調査で脱税が発覚すれば、追徴課税&逮捕の可能性もある
全ての取引情報が当局に報告されているFX。
そんな状況だとわかっているので、確定申告をしない理由はありませんよね?
納税は国民の義務ですので、課税対象者になったら絶対に確定申告を行ってくださいね。
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